発声法! どの様に声を体に響かせる?

発声法! 体(骨と空洞)に響かせる!


VOICE という楽器は、体の空洞と骨に響きますので、
鼻の後ろ辺りにある副鼻腔と口内、そして頭蓋骨にとても良く響きます。
ボイストレーニングの先生に、よく「口を大きく開けて!」
と言われますが、口を大きく開ける!と言うのは、
実は、前から見た時の口の大きさだけではありません。
口の大きさは、もちろん、千差万別、人それぞれ
どの位の大きさまで開けられるのかは様々ですが
自分の手でげんこつを作ってみて、これより若干小さいかな?
というサイズまで、入るはずです。
後方まで開くはずなのです。
この口内が空洞になりますので、声と言う音波を、
音の高さ、ボリューム等を調整しながら口内にあてて響かせます。
口内を開ける大きさや、
音波を口内のどのあたりに、
どの様な角度であてるのかによっても、
音(声)の響きが異なりますし、
口内の前方で言葉を発すると子供っぽい言葉に聴こえますし、
奥の方にあてれば、深みのある落ち着いた大人っぽい声に聴こえます。
ボーカリストは、曲によっても、これらの方法を使い分けています。

「口を大きく開けて!」と言うと、初心者の多くは、
下の歯と顎を下方向に下げる形で口を開けようとしますが、
これだと声が下方向へ引っ張られ重く暗い声になりますので、
是非、上の前歯を丸出しにして上方向へ頬を引き上げる様に開けて下さい。


歯も共鳴体!


歯も、骨ですので、実は共鳴体になります!
特に上の前歯。この共鳴体をしっかり出しながら歌います。
笑顔でニコッとしながら歌うと自然に上の前歯は出ますので、

笑顔で歌いましょう!


悲しい曲を歌う時には、笑顔なんて無理だから、どうすれば?
と聞かれそうですが、その時は、眉間を寄せる等悲しい表情をしながらも、
しかし、しっかりと上の前歯は出して下さい。

海外のボーカリストさん達を良く見ると、口の横側まで、
口を大きく、幅広く開けて歌っています。
あの状態ならば、上の歯を横まで全部共鳴体として使えますね。


声は背中にも響かせる!頭上から噴水の様に響かせる!

全部開く!


音(声)を体に響かせて歌います。
体の後ろ側(背中側)を意識して響く様に発声するとお話しましたが、
実際に、どうすればいいの?と思いますよね。

これは、教本に記載されていることではありませんが、
私が、ボーカリストとして、経験上、
最も分かり易い説明をさせて頂くならば、
背中に大きなスピーカーを背負っている!
このスピーカーから自分の声が出ている!と思って歌っています。
実際には、スピーカーなんて背負ってないのですが、
そのつもりで歌うのです。
リュックサックを背負う状態を想像して頂ければ分かり易いかと思います。
お尻の辺りから、頭の上まで伸びているスピーカー、
まるで、噴水の様な⁉ スピーカーです。
声が頭上から噴水の様に噴き上げているイメージですね。
背中にも響かせ、顔の前面ももちろん使用します。
先程、口の説明はしましたが、鼻も目もおでこも全部使います。
とにかく、全部開くのです。
目を閉じたりしてはいけません、必ず開いて下さい。
咽頭も下方向へ下げて下さい。
上げると声帯の締め付けが強くなります。
舌根を下げれば咽頭も下がることになります。
声を出す時は、必ず、鼻の周りがビリビリ響いているかどうかを
確認しながら練習して下さい。
どの高さの声を出す場合も、必ず、
鼻の周辺はビリビリ響いていなければなりません。
なので、顔、頭蓋骨、お尻までの背中、
これら全部を使用して響かせるということになります。
念の為、下半身は上半身を支えるためのみに使いますので
下半身には、響きません。

"響き"については、グランドピアノを想像して頂くと分かり易いと思います。
屋根を閉めたままでも、もちろん鍵盤を押すとその音は出ますが

あまり響かないですね。
屋根をオープンすると、大きなコンサートホールの
後ろのお席の方までしっかり聴こえる位に響き渡ります。
ボーカリストの楽器(体)も同じです。
是非、しっかり開いて、響かせて下さい。
大きい音(声)を出して下さいと言う意味ではありません!
小さくても、後ろのお席の方までしっかり聴こえる声を出す!
これが難しいのです。
声を響かせる高度な技術を要します。
大きい声を張り上げる方が余程簡単です。
小さい声を出そうとすると、初心者は大抵、息だけが出てしまいます。
息を声にせず、息だけが出てしまうのは、もったいないのです。
しっかりと息を声にして、響かせましょう! 


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